農業経営アドバイザー試験に合格しました!

農業に強い税理士として、農業経営について総合的にアドバイスできるようになるには、何をどう学べば効率的なのかと考えたときに、この試験をネットで見つけ、研修及び受験内容から、この試験を受験することを決めました。

第27回(平成30年6月15日(金))の農業経営アドバイザー試験の合格率は54%でした。

過去の合格率をみても高めなので、農業に関する知識・総合力を身につけて、手軽にタイトルもゲットしようと、軽く考えておりましたが、研修日程や面接日時の確保(東京以外の人は2回(筆記と面接)にわたり東京に来る必要あり)、研修書籍代や東京会場までの旅費や受験代などのコスト、筆記試験は短期決戦型で詰め込み受験、そしてグループ面接などなど。。。

思ってたよりは大変でした。

今後はこの試験を通じて学んだ知識を知恵に変え、農業を俯瞰的にとらえ、実践に役立てようと思います。

 

 

将来、農業経営アドバイザーを目指されるかたのお役に立てればと思い、受験から合格までの軌跡をまとめてみました。

 

【平成30年4月4日】 第27回農業経営アドバイザー研修・試験 申込み

受験申込書に志望動機や略歴などを記載して申込書を作成・提出(そこそこ面倒)

【必要書類】
① 受験申込書
② エントリーシート
③ 添付書類台紙(税理士証票の写し等、資格が確認できるもの→税理士、公認会計士のみ)

募集期間は、平成 30 年4月2日( 月)から 4月 27 日(金 )17 :00 まででした。募集対象者は税理士、公認会計士、中小企業診断士、金融機関職員、その他関係機関・ 団体職員等で募集人員は400名です。

 

【平成30年5月18日】 事務局から受験票と案内が届く。

受験料(25,000円)の請求や研修に必要となるテキストを自ら準備せよとの案内、、、研修テキストくらい手配してくれよと思いましたが、、、テキスト代はすべて揃えて約6,000円、必要書籍の中に「〇〇の日本農業論」という本があるのですが、これは研修でも使用しなかったし、内容も古いし、必要ないと感じました。ただの印税稼ぎとしか思いませんでしたね。。

研修は3日間(税理士等は2日間)で4日目(3日目)は筆記試験であるため、前もって予習が必要かも。。私は1週間前からぺらぺらとテキストを捲って見ていました。

 

【平成30年6月13日】 研修初日(一般の方は2日目)

クロス・ウェーブ府中(東京都府中市日鋼町1-40)が会場です。受験者数は約400人ですべて指定席です。お隣さんは長崎県の職員の方でした。気軽に話しかけてくださって名刺交換をしました。

研修内容は丸1日、労務管理(農業従事者の採用にかかる労働基準法など)ですが、とにかく眠たかったです。ところどころで、講師の方が重要なポイントを仰るので、「ここは重要です」の言葉が出るたび、「びくっ」と反応して起きていました(眠)  ※実際に「ここは重要です」が出題されていました。

 

【平成30年6月14日】 研修2日目(一般の方は3日目)

  1. 農地法やその関連法令・・・・許認可が中心で、どこの自治体にどのような手続きが必要かなど、農地所有適格法人の制度概要や数年前の要件の緩和など
  2. 農業マーケティング・・・SWOT分析やマーケティング・ミックス、買い手目線での生産体制の構築の必要性
  3. 農業政策・・・・これまでの日本の農業政策とその問題点、世界の農業との比較、農家の人数や農業所得などの統計(過去、現在、未来)、農業の輸出の必要性

初日よりは興味深い内容でした。

 

【平成30年6月15日】 試験日

士業の人は試験会場が別になっているようです。ざっと70~80人でしょうか。

試験委員の方がわりとフラットな感じなので、試験会場独特のピリッとした雰囲気はなかったですね。

試験時間は9:30~12:15分です。

1.農業構造と農業政策(40分)穴埋め、記述・・・・農業問題全般について

2.農地制度など(30分)択一式・・・・許認可や農業法人など

3.労務管理(30分)〇×26問・・・農業独特の労働基準法とか

4.志望動機(30分)・・・・前もって書く内容を決めておかないと時間内に書けません。

すべて15~20分程度で終わりました。周りを見てもそんな感じでした。

試験終了後6日以内(提出期限:6/21)に農業マーケティングを書いて提出するのですが、これがなかなか曲者で個人的にはかなり頭を悩ませ、かつ、点数がギリギリという結果となりました。1,500字以内で必ず触れるべき事項の指示がいくつあり、指示通りでないと減点の対象となるようです。

 

【平成30年6月20日】 レポート提出

ワードで作成したA4ペーパーを簡易書留で提出しました。詳細は割愛しますが、書いた内容の全体像はこんな感じ。(この図はレポートの最後に載せました)

 

 

記載内容の必須条件は「地域の産品」「地域ぐるみ」「仮説戦略」「優位性の説明」「1500字以内」でした。

 

 

【平成30年7月18日】 合格発表

農業経営アドバイザー筆記試験合格!

農業マーケティングがやばかった(汗)。。。これから面接対策を練ります。

 

 

【平成30年8月3日】 農業経営アドバイザー面接試験当日

平成30年8月3日AM10時~日本政策金融公庫_大手町フィナンシャルタワーです。

待合室はこんな感じで大体40人くらい居ました。

待合室はとても静かで皆さん緊張しているようでした。ピリッとした雰囲気でしたね。ネットの情報で筆記試験を合格した税理士の方が、面接で不合格という記事を目にしておりましたので、私としては気楽な感じはなく、本気モードでした。(ここまできて落とされてたまるか)

10時から面接の小会議室へグループごと(6人くらい)に分かれて移動します。

この移動前に部屋に入っていく順番が告げられるのですが、私は5番目でした。先の皆さんの意見を聞いてから回答することができるので、なかなか有利な順番でした。面接官は2名でジャーナリストの方と日本政策金融公庫の方です。

質問の流れはこんな感じです。

  1. 自己紹介、志望動機
  2. 食料消費の変化について(日本がどう対応すべきか?だったかな、記憶曖昧)
  3. ご自身の地域の農業の課題・問題点とその解決方法について
  4. TPPについて、日本の抱える問題と改善策を簡潔に。この辺りで残り時間が僅かでしたので、それぞれ40秒程度で答えていました。

みなさん、準備されていましたね。それなりにスームズに返答されていました。

私はすべて農業の輸出の必要性とシェア農地の普及を絡ませて熱く語らせていただきました。

 

 

平成30年8月10日(金)合格通知!!

合否はwebで確認しました。筆記試験合格者は全員合格でした。。

合格証は平成30年8月12日(日)に届きました。

晴れて農業経営アドバイザーとなることができました。このタイトルをもって新しい農業の発展に向けて取り組んでいこうと思います。

 

 

私が考えている現代農業の課題や問題点、その解決方法は以下のとおりです。

(農業経営アドバイザーの面接試験想定質問集として纏めたものでもあります。)

1.TPP、メリット・デメリット

(メリット)

  • 日本農家の市場が外国に拡大して、農家が儲けるチャンスが広がる、企業も参入
  • 日本のお米は美味しい、日本のサクランボやイチゴなどは世界中から愛されている
  • 安全性と味では日本の農作物は世界から見てトップクラス
  • 世界農作物輸出額ランキングをみると、オランダは九州と同じ面積しかないが、世界2位。日本は46位→まだまだ売り方によっては伸び白がある。

(デメリット)

  • 食料自給率に大きな影響が及ぶ→カロリーで計算されている食料自給率は参考にならないし、そもそも日本の食料自給率は他国と比較して高い??という情報アリ
  • 輸入品が増えて、国内農業が衰退する(農作物の価格下落、農業者の意欲がなくなる)
  • 輸出はそんなに増えない(中国や韓国が輸出の大部分で、TPP加入国への輸出が少ない)

国が農家を守りつつのTPPをすべき、TPPにより売上げ減少が明らかな場合のセーフティネット(補助金の支給など)対策など必要か

 

2.農業の輸出について

オランダやデンマークなど、耕地面積が小さくても付加価値の高い農作物の輸出などで農業を成長させている国をモデルとして、立地条件等で異なる部分を考慮しつつ、日本として実行可能な部分は参考にすべき、農地集約やスタートから輸出を意識しての販売戦略・農作物選び→生産者目線ではなく、買手目線でマーケットを意識した生産体制の構築などが必要

輸出に不慣れな農家のために、国や自治体が輸出について積極的にフォローすべき

 

3.耕作放棄地

耕作放棄地の発生要因の88%が高齢化・労働力不足である、→企業が農業に参入しやすくなるように参入障壁を取り除き、政府は新たな農業の開発に対する補助金

→農業をやりたい、休日に土を触りたい人は増えている。しかし広い農地をそのまま賃借して農業をやるお金も時間もない→シェア農業を全国的に普及させる、まずは農業の楽しさを広める、農業の担い手として、サラリーマンの手を借りる、企業の福利厚生の一環としてシェア農業を普及させる

 

4.農業従事者の高齢化

農業従事者の66%は65歳以上、農業の担い手不足は今後解消される可能性は低い、よって農地中間管理機構などを利用し農地の集約を進める(農業委員会主導のもと)とともに、一般企業の農業参入について参入障壁を取り除き、1農家あたりの耕作農地面積を増やすことが重要

 

5.都市営農農地の課題と対策

平成3年1月1日生産緑地法→30年→(2022年問題)平成34年に市町村に対して買取りの申出をすることが可能、しかし、財政上の理由から自治体が生産緑地を買取ることはほぼなし、税制優遇がなくなるため、農家は土地を手放す、生産緑地が宅地に転用されて不動産市場に大量に流入し、地下が暴落か→特定生産緑地(H30.4/1施行)、市町村に買取申し出ができる時期は「生産緑地地区の都市計画の告示日から30年経過後」から、10年延期される。10年経過後は、改めて所有者等の同意を得て繰り返し10年の延長ができる。

※昭和49年ごろ、都市圏においては都市化が進み、緑地の宅地転用が増加、市街地における緑地の減少は住環境の悪化などの問題を招いた。

そこで、農地の有する環境機能などを考慮し、農林漁業との調整を図りつつ、良好な都市環境を形成していくという目的のもと、生産緑地法が制定

 

6.減反政策の廃止

減反政策とは、1970年頃から開始された米の生産量を抑える政策

米の作付面積の縮小や、転作(米以外の農作物をつくること)により米の過剰生産や在庫を削減し、価格低下を防ぐことを目的としている。これにより農家は、生産量を抑制する代わりに、収入の安定が保証されてきた。この減反政策は2018年度より廃止→しかしコメの作付は増加していない→高齢化・人手不足 増産は簡単ではない

農家は、比較的、高値が見込まれる『家庭用』にシフト、家畜のエサになる『飼料用米』は補助金が維持されているため生産増、この両方の影響で『業務用』は増えにくい

 

7.JAについて

収支構造は①信用、②共済、③経済等だが、このうち農業に直接関係する経済等は継続赤字農家の高齢化により①②は自然減、よって③経済等(農畜産物の販売、生産資材の購買・供給など農業の生産に係る事業)の黒字化が必須

少子高齢化により、会員数の増加が見込めないため、農業に従事していない准会員数の増加に力点を置くべき、シェア農業や6次産業化(農業経営の多角化、農業の輸出、ドローンを使った農薬散布、IOTを活用した獣害対策)を積極的に進める必要あり

 

8.補助金の活用と必要性

補助金は必要だが、創業時の農機具や農薬など事業の立ち上げ、革新的な農業の研究のための費用に限るとするのがベター

 

9.水耕栽培

初期投資が高いが、最近は初期コストを抑えた手法が台頭、災害や異常気象が発生した場合にも、安定供給できる水耕栽培は今後大きく成長すると見込まれる、税制面においても、固定資産税の減免対象になる可能性あり

 

10.税制改正の影響

農地等にかかる事業承継の納税猶予について、貸農地等(シェア農地など)も範囲に含まれることに

 

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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